PSU二次創作小説学園編第二幕
おことわり
この作品は、セガから発売されているオンラインゲーム。ファンタシースターユニバースシリーズを元に、勝手な解釈と設定を持ち込んで書かれた二次創作物です。
そういったものが苦手という方や、不愉快に思うファンの方もいるかと思います。
まして、作者は素人であり文章もあまり読みやすいものではありません。全ては作者自身の自己満足のために書かれたものですので、本来読むことをお勧めはいたしません。
しかし、どうしても読んでやる!!という方は、後の感情の処理は全て自己責任で読んでいただけると助かります。
面接2「フェイト・アストレイ」
なぜ貴方はガーディアンズに入りたいのですか?
「・・・世界が大変なときに、うちでごろごろしてるなってエトが・・・。いや、妻が怒るから。しかも娘まで一緒になって、ニートのお父さんは嫌だとか言うんです。それで半ば無理やりに・・・。ぼく、ニートなわけじゃないんだけどな・・・。」
・・・それは、大変ですね・・・。では、次の質問です。あなたの護りたいものはなんですか?
「そりゃ、父親としての尊厳と立場!!・・・コホン。失礼・・・。妻と娘が笑顔でいられる世界。でしょうか?これは、本当ですよ?そのためなら何だってします」
・・・貴方の護りたいもの、確かに聞かせていただきました。ようこそ、ガーディアンズへ・・・。
第二幕「センチュリー」
寮の朝食時間は6時から8時まで。朝7時、朝食へと向かう寮生の流れの中に、メリアの姿もあった。
ここ数日で仲良くなった、同じクラスの女の子二人と一緒である。
「うぅ・・・。今日は午前中から実技か。それも射撃・・・やだなぁ」
苦手科目にぼやいたりするのは、ガーディアンズの訓練校の生徒であっても変わらない。やや舌足らずな口調で、陰鬱な声を上げているのは、三人の中で最も小柄なサラミス・モガミである。
小さな身体に、栗色の髪をシュートカットにした彼女は清潔な小動物を思わせる。
確かに、こんな子が「わたし、射撃得意です!!」とか言い出したら、逆に驚く人のほうが多いだろう。
「わたしも射撃は苦手だよ。終わったあと腕上がらなくなっちゃうし」
メリアはこの一ヶ月でやや筋肉のついた腕を見る。射撃だけでなく、剣術に格闘術と、厳しい訓練を受けてるうちに全身ムキムキになっちゃったらどうしようと、メリアは心配になる。
ガーディアンズになっても、前と変わらず女の子らしく、やわらかな身体をしていた姉は、彼女にとっては一種の化け物だ。
「メリアはいいじゃない。ちゃんと的に当てれるもん。あたし全然当たんないのに・・・」
それでも最近は幾らか的に当てれるようにはなってきているのだから、撃つたびに尻餅をついていた最初数日間からみれば、大きく進歩しているといえるだろう。
サラミスは射撃だけでなく、実技全般が大の苦手だ。いや、苦手というより向いてない。だからといって、運動が苦手なわけでも、極端に体力が無いわけでも無い。なぜ向いていないかと聞かれれば、『普通の女の子だから』に尽きるだろう。
「わたしなんてまだまだだよ。キラちゃんみたいに遠くはまだ全然だし」
「当然!!こっちは生まれて16年マタギの中で育ったんだから。簡単に追い抜かれてたまりますか」
と、言うのはスキュラ・コルセスカ。キラは彼女の愛称である。やや浅黒い肌に薄い金色の長い髪。三人の中で最も背が高く、恵まれたスタイルを持つ。
彼女は、モトゥブの狩猟を生業とする部族の出であるために、メリアやサラミスと違い武器の扱い方や戦闘における知識を最初から持ち合わせていた。
そのために、現在のところ実技面では彼女がクラスでトップの座に位置する。
そんな彼女でもメリアは、一目置く存在だった。
「でも、メリアは、本当に飲み込むの早いよね。そういえば、テクニックも元々つかえてたみたいだし。ほんと、あんた何者?」
「そんな、別に普通だよ。テクニックはお姉ちゃんの練習によくつきあってたからで、射撃だって教官の言われた通りにやってるだけだよ?」
「ぶー。あたしは当たんないのにぃ・・・」
メリアの言葉に、さらにふてくされた様子を見せるサラミスの頭をスキュラがぐりぐりとなでつけた。
この二人は寮の同室で、とても仲が良い。
「サラミはもっと力つけないとね。反動抑えられない分、下の方は狙ってるんでしょう?」
「うん・・・。教官に言われた通りにしてるよぅ」
「だったら・・・」
「ひゃあ」
スキュラはサラミスの背後に回ると、その小さな身体を抱えあげた。そのままくるくると回転。
「あんた、軽すぎんの。もっと、太れ!!ほら、今日の講義終わったらパフェ食べに行こ。カフェ・de・SNOWに新作のが出てるんだって。メリアも行こう?」
「うん」
「よし、決まり」
気っ風が良く面倒見がいいスキュラと、おとなしそうに見えて、実は言うことは言うサラミス。この二人は入学して以来仲良くなった友達であり、同じチームメイトだ。
このガーディアンズ訓練校では、同期に入学した者同士でチームを組んで卒業を目指すというスステムをとっている。メリアが所属するするチームはセンチュリーと呼ばれ、男女合わせて7人。女子はこの3人と、あと一人。
食堂の前で、出てきた少女とすれ違う。
「あ、おはようミュラちゃん」
センチュリーに所属する女子の最後の1人。ミュラ・ルルホ。
メリアはルームメイトであるその少女にあいさつする。ルームメイトでありながら、メリアは彼女と朝、部屋で挨拶したことがない。いつもミュラは彼女より早く起きてどこかへ行ってしまっているからだ。
「おはようございます」
静かな声で、ちょこんと腰を折ってあいさつするミュラ。メリアがミュラと朝挨拶するのは、決まってこのタイミングだ。ミュラはいつもメリアたちが来る前に食事を終えて、またどこかへ行ってしまう。
「あの子。講義サボっていつも何してんのかな?」
スキュラの言うとおり、今ミュラはほとんど講義を受けていない。座学の講義を受けているのをたまに見かけるが、実技の方は一切受けていない様子だ。
どこで何をしているのかはメリアも知らないが、部屋に戻ってくるのはいつもメリアより遅く、門限ぎりぎりだった。
「メリアのルームメイト悪く言いたくはないけど、あの子ちょっと気味悪くない?」
「え?そうかな?」
「あたしも、あの子ちょっと怖い・・・」
スキュラもサラミスも彼女のことをあまり良く思っていないとは感じていた。何を誘ってもまず断られるし、一人前のガーディアンズになることを真面目に目指す彼女らにとって、サボタージュを繰り返すミュラを受け入れられないのも理解できる。
けれど・・・。
「そんなことないよ?礼儀正しいし、いい子だよ?初日に挨拶したとき、とっても美味しい手作りのお団子をお土産に持ってきてくれたし」
「あんた、団子で手なずけられちゃったわけ?」
そうかもしれない。とても美味しいお団子だったし、お礼にとメリアがお茶をいれると、彼女はそれを美味しいといって、飲んでくれた。
たしかに、変わったところがあるけれど、メリアにはそんな彼女が悪い子だとは思うことが出来なかった。
「そうかもね。それに洗濯物とかきちんと自分で片付けるし、おやつ食べ散らかしたりしないし・・・」
実はそこは少し物足りなく思っているところである。1人で生活しているみたいで寂しいのだ。
「そうなんだ・・・。なら結構いい子かも」
スキュラに抱えられたままのサラミスが、上目で同居人を見る。
「・・・なんでこっちを見るのよサラミ」
「ううん、別に~」
「あはは・・・。そっちは楽しそうだね」
「メリアもこっち来なよ。三人で過ごしたら楽しいよ?」
「そうだね。でもベットは2つしかないよ?どうするの?」
「それなら、大丈夫。この子はあたしのとこで預かるから、メリアはこの子のベッドを使えばいいよ」
だが、こちらを見るサラミスの表情は明らかに助けを求めるものだった。
「あはは・・・。でも、本当にそんなことしたらきっと怒られちゃうから、遠慮しとくね」
「それもそうか」
かしましく、話を弾ませる少女達。
そんな彼女達を温かい目線で、見つめるものがいた。
それはまるで、運動会でカメラを片手に娘を見守る父親のように・・・。
「サラミスたん・・・。今日も可憐だ・・・。あぁ、拉致りたい・・・。ハァハァ・・・」
少年の名はハーバー・チェスター。メリアたちと同じ、チームの訓練生であり、自他共に認める変態である。
そして、その彼の背後にこっそりと忍び寄る影。
「お巡りさん、お巡りさ~ん。こっちですよー」
もちろん、この場に警官などはいない。しかし、効果は抜群だった。動揺でサンドイッチ・・・に偽装した隠しカメラを取り落としそうになったほどに。
「うわっ!脅かさないでくださいよ。おはようございます、フェイトさん」
「おはよう」
フェイト・アストレイは悪びれる様子も無く、穏やかな顔であいさつすると、朝食ののったトレイをテーブルに置き、彼の向かいにすわった。
「まったく、毎朝飽きもせず、何やってるんだか」
そして、その横にもう1人の赤毛の少年。バレンシィ・ウェッソン。ハーバーのルームメイトだ。
背負っていた巨大な剣を傍らに立てかけて、フェイトの横の席に座る。一角の戦士を思わせる風貌だが、彼はまだ剣を持つようになって一ヶ月である。
『大事な武器をナノ粒子に分解するなんて考えられない』と言って愛用の大剣をナノトランサーに入れることを頑なにこばみ、彼はどこへ行くにも大剣を背負って持ち歩く。
本人は硬派な戦士タイプを気取っているが、バレンシィはここにくるまで普通の少年だったのだ。そのスタートラインはメリアやサラミスと変わらないが、今のところ実技、座学ともやや水をあけられてしまっている感がある。おかげで彼は周囲からはすっかりコスプレイヤー扱いだ。
彼ら三人もメリアたちと同じチームに所属している。
ハーバー、バレンシィは10代半ばでメリア達と同年代だが、フェイトは彼らより幾らか年上にみえる。
人柄がよく、博識な彼はチーム内はもちろん、他の生徒からも慕われていた。
「今日もかわいいね、我らが姫君たちは。ハーバー君が夢中になるのもわかるよ」
「ほう?フェイトさんも興味ありますか?」
「フェイトさんまで、こいつに感化されないでください」
「感化されるまでもなく、魅力的な子達だと思うけど?バーシィ君は気になる子はいないのかい?」
「お、俺はそんなことに興味は・・・。今は強くなることしか考えてません!!」
実際彼は今必死だった。残念ながら今の彼の成績は、講義に参加していないミュラは除き、チーム内最下位。振れもしない巨大な剣を使うことに拘っているため、実技面でサラミスにも劣っている。
「そっか、さすが」
バレンシィは真っ赤な顔で、声もうわずっていて明らかに動揺していたが、フェイトはそれに気づいているのか、気づいていないのか、穏やかな顔を崩さない。
「いやいや、そいつはただむっつりなだけですよ。ほら」
ハーバーが指で何かをはじく。何かの画像データだ。
「ぐぅ・・・。こ、これは・・・」
画像にバレンシィの目が釘付けになる。
どれどれとフェイトも覗き込むとそれは、訓練中のスキュラの画像だった。豊かなバストが強調されるアングルで撮られた画像は、明らかな隠し撮りだ。
「500メセタでどうだ?ルームメイトのよしみで格安にしておいてやる」
彼が隠し撮りで商売しているのは有名な話だ。ばれたらタダではすまない犯罪だが、半ば黙認されている。
確かに問題だが、その技術は一部で高く評価されているのだ。
「よくとれてるなぁ。そっか。バーシィ君はコルセスカさんに気があるんだ。うん、いい子だよね。彼女」
「俺は別に!!」
バレンシィの声に食堂中の視線が集まる。
「まぁまぁ・・・。落ち着いて」
「はい・・・」
「そういうフェイトさんは気になる子はいないんですか?」
「そうだね・・・。みんないい子だからなぁ。コルセスカさんは綺麗だし、頼りになるよね。吉乃さんは気立てが良くてお嫁さんにするなら彼女かな?見た目的にはモガミさんが・・・はっくしょん!!」
唐突にくしゃみをしたフェイト。食べさしのソーセージを取り落とす。
「大丈夫ですか?」
向かいに座るハーバーが心配して聞いてくる。それほど珍しいことにフェイトの顔が引きつっていた。
「い、いやなんでもないよ。ちょっと寒気がしただけだから」
そう言うフェイトの顔はいつもの穏やかな顔だ。
「でも気になるといえば、今ここにいない黒髪の子かな」
「まさかあの、座敷わらしですか?」
バレンシィが顔をしかめる。
「それは、ルルホさんのことかい?さすがに失礼だけど、うまい表現だね」
「ミュラ・ルルホか。たしかに興味深い存在ではあるな。前髪に隠された素顔がどんなものなのか・・・」
「おや?ハーバー君でも、彼女の顔は知らないんだ?」
この訓練校の女子のことなら、彼が知らないことは無いとまで言われているほどだ。もちろん男子生徒の中だけでの話しだが・・・。
「ええ・・・。でも素顔だけじゃありません。ミュラ・ルルホに関しては一切の経歴が非公開になってるばかりか、それらを辿ろうとすると、ガーディアンズ側からのガードがかかります。・・・あれは、そうとうヤバイことにかかわってますよ?」
普段は盗撮に注がれている彼の情報収集能力だが、実際にそれはかなりの水準にある。各種機器の製造、扱いはお手の物。また、およそ一般人ではありえないような伝手や情報網ももっているようである。
「ほう・・・?」
「でも、ここにいる限りは一訓練生だろう?講義も出ないで卒業できるほどここは甘くないぜ?」
「お前も人のことを言っていられる常態ではないと思うが?」
「ぐ・・・」
この訓練校の講義は実技にしろ、座学にしろ、カリキュラムはチームごとに組まれている。
ただし、メンバーの中で単位が取得できず、チーム内で足並みをそろえることが出来なくなると、そのメンバーはそのチームから外され、後発のチームに組み込まれ最履修を受けることにななってしまうのだ。
メリア達のチームセンチュリーは、間も無く最初の試験を迎えようとしていた。
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コメント
普通の学校と変わりない日常で逆に面白いです!
投稿: エトワール | 2011年10月 5日 (水) 13時26分
普通の学校しか知らないから、しかたがないんだ・・・。
実は自宅改装のため、しばらくパソコンでインターネットができなくなりました。そこで、出来てた分だけ緊急で載せたので、ほとんど試し書きの状態です。いつにも増して、読み苦しいので、申し訳ないです。
投稿: ミュラ | 2011年10月 5日 (水) 15時00分
良い具合に出来てると思いますよ(^^)/
ほのぼのしてて、いいです(*^_^*)
投稿: 吉乃 | 2011年10月12日 (水) 21時52分