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PSU二次創作小説学園編第一幕

                  おことわり

この作品は、セガから発売されているオンラインゲーム。ファンタシースターユニバースシリーズを元に、勝手な解釈と設定を持ち込んで書かれた二次創作物です。

そういったものが苦手という方や、不愉快に思うファンの方もいるかと思います。

まして、作者は素人であり文章もあまり読みやすいものではありません。全ては作者自身の自己満足のために書かれたものですので、本来読むことをお勧めはいたしません。

しかし、どうしても読んでやる!!という方は、後の感情の処理は全て自己責任で読んでいただけると助かります。

               面接1「吉乃 メリア」

貴方は何故ガーディアンズに入りたいのですか?

「わたしのお姉ちゃ・・・、いえ、姉がガーディアンズなんです。最近事件とか多いし、SEED騒ぎとかもあって、危ないこととかにあってるのかと思うと心配で・・・。お姉ちゃんだから、できるだけ姉の傍にいられるようにガーディアンズに入りたいって思いました」

あなたは、とてもお姉さん思いなんですね。では次の質問です。

貴方の護りたいものは何ですか?

「はい。お姉ちゃんが笑顔でいられる世界です」

 

               第一幕「ぼろぼろ・・・」

 「あなたの護りたいもの。確かに聞かせていただきました。ガーディアンズはあなたを歓迎します。吉乃メリアさん」

メリアの正面で微笑む若い女性。面接の担当官だ。彼女の言葉でガーディアンズ(候補生)吉乃メリアが誕生した。

「はい!!ありがとうございます!!」

来週からは訓練校での生活が始まる。正式なガーディアンズになるまでには、そこを卒業しさらに現場実習を経なければならないが、メリアは今この瞬間、ガーディアンズとしての第一歩を踏み出したのだ。

「寮のほうには、訓練校の入校式までに入っておいてね」

薄い冊子を渡された。表紙に寮生の心得と書かれた、パンフレットだ。

「はい」

「でも、そんなにお姉ちゃん大好きだと大変ね。しばらくはなかなか会えなくなるわよ?大丈夫?」

きっと、面接官の女性に悪意があったわけではないのだろう。

しかし、その言葉にメリアは冷水をかけられたかのような衝撃を受けた。

・・・そんなこと考えてもいなかった・・・。

姉と一緒にいたいがためにガーディアンズを目指してたのだ。その過程で会えなくなるなんて考えてもいなかったのだ。

そうだ、しばらく寮暮らしになるんだ・・・。その間お姉ちゃんと会えなくなるんだ・・・。

今でも、ガーディアンズの姉は忙しくてなかなか会うことができないでいた。それでも、家で待っていれば姉はひょっこりと帰ってきた。しかし、これからは自分は家にいない。寂しさでメリアの目頭が熱くなる。

「吉乃さん?どうしたの?」

面接官の女性が心配して訊ねてきた。

いけない・・・。わたし、ガーディアンズになるんだから。こんなことで泣いてちゃいけない!!

もう、待っているだけは嫌だった。SEEDの被害や、ガーディアンズの活躍をニュースで見るたびに姉のことが心配で仕方が無かった。

そんな日々に戻るくらいなら、ちょっとくらい寂しくたってがんばれる!!

メリアは受け取ったパンフレットをぎゅっと、両手で抱きしめる。薄っぺらいパンフレットは彼女の腕のなかでクシャリとひしゃげた。

「いえ、なんでもないです」

「そう?訓練校は厳しいけど、がんばってね。それじゃあ、次の人を呼んできてくれるかな?」

「はい、失礼しました」

にこやかに手見送ってくれている面接官に、丁寧にお辞儀をして部屋を出る。

「・・・あ」

廊下では、女の子が1人、窓の外を眺めていた。

他には誰もいないから、この女の子が次に面接を受ける子なのだろう。

「あの、次に面接を受ける方ですか?」

女の子の顔が、メリアに向けられる。しかしその顔は伸びた前髪に隠されて、その表情を見ることは出来ない。

「担当官の方に、次の人呼んで来てほしいって言われたんですけど・・・」

女の子は小さくうなずく。

なんか、ぼろぼろだ・・・。気力を感じさせない儚げな背中を見送りながら、メリアが抱いた女の子の印象だった。

面接に備えて、しっかり身仕度してきたメリアと違い、女の子は顔が見えないほど伸びた前髪に、背中まで伸びた黒い髪を手入れした様子もなく、メリアより二周りほど小柄な身体を包む、ニューデイズ様式の服もくたびれた様子だ。

「あの・・・」

扉を叩こうとした女の子を、メリアは呼び止めた。そして胸元で小さく拳を作ると。

「あの・・・。がんばってね」

女の子は一瞬手を止めたが、それ以上の反応を見せることなくドアの向こうへと消えてしまう。ノックの音も、「失礼します」と言う声も、小さく掻き消えそうなものだった。

静かな廊下に1人、拳を作ったままのポーズで取り残されたメリア。

・・・うぅ、変な子に思われたかも・・・。

つい、放っておけずに声をかけてしまったが、入学すれば、同期生としてよく顔を合わせることになるかもしれない、できれば仲良くなりたかっただけに、メリアは少し落ち込む。

・・・あ、そうだ。お姉ちゃんに訓練校に入学が決まったこと、メールしよう。

メリアがPDAを取り出したその時だ。閉じたばかりのドアが再び開く。

「・・・失礼しました・・・」

出てきたのはさっきの女の子。

早っ!?

今、入っていかなかったっけ?

ひょっとして、一目で落とされちゃったとか・・・?

女の子はメリアを気にすることなく、その前を通りすぎていく。周囲を拒絶するかのようなその雰囲気に、今度は言葉をかけることが出来なかった。

・・・そうだ、メール。

 

『お姉ちゃんへ。無事訓練校への入学が決まりました。面接緊張したよ~。お姉ちゃんの時はどうだった?お姉ちゃんが護りたいもの、何て答えたのかちょっと気になります』

 

送信・・・。

 

お姉ちゃん、今どこにいるのかな・・・。おとといはモトゥブにいて、その前はニューデイズ。

でも、昨日の晩御飯の時には家にいたっけ・・・。

間も無く返信のメールが届く。

 

『おー。入学おめでとう。いっぱい勉強してくるんだよ?ボクの時?昔のことはわすれちった・・・。変わりにこのレア画像を進呈しよう』

 

添付されていた画像ファイルを開く。

「なにこれ?ボルティの足の裏?」

続いて、もう一枚画像が送られてきた。

 

『若葉マーク!!』

 

ふっくらした頬にポルティの足型がくっきりとスタンプされた姉が、同僚に囲まれて笑っていた。

お、お姉ちゃん!?

なにがあったかは想像に難くないが、当の本人が笑っているのだから、大したことはないのだろうけれど・・・。姉が大きな怪我をしたりするかも知らないと思うとメリアは心配で仕方が無い。

今、姉はメリアの知らない世界にいる。危険と隣りあわせで、実際に命のやりとりが行われている世界。

わたしもすぐそっちへ行くからね。それまで絶対に無事でいてね。・・・お姉ちゃん。

・・・続く

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コメント

いいですね~
キャラの初々しさが出ていてほのぼしてますよ~♪

投稿: エトワール | 2011年9月22日 (木) 19時46分

起用、ありがとうございます。
ほのぼのしてて、良いですね(^^)/

今後の同期生との絡みが気になります(*^_^*)
期待していますよ(^^)/

投稿: 吉乃 | 2011年9月23日 (金) 12時43分

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